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社会状況をも反映する「子どもの名前ランキング」年代別比較

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毎年、年末になると「今年の漢字」が発表されますよね。その年の1年を反映した1文字が選ばれるので興味深いです。政治と金の問題など暗い部分も反映していますし、オリンピックでメダル獲得のような明るいニュースも反映しています。

同じように、子どもの名前も時代を反映することが多いです。今回は、年代別に子どもの名前ランキングを比較しながらみていきましょう。

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大正~昭和は戦争の色濃く

大正時代と昭和時代から、要所をピックアップしてランキング1位の名前をみてみましょう。

 

大正1年:〔男〕正一 〔女〕千代

大正2年:〔男〕正二 〔女〕正子

大正3年:〔男〕正三 〔女〕静子

 

「明治」から「大正」に元号が変わると、大正1年以降は、男の子の名前は元号の影響を強く受けていることがわかります。大正の「正」、さらに年号の「一」「二」「三」がつく名前がトップになっていますね。時代は第一次世界大戦。女の子の名前は一部に元号の影響もありますが、「千代」や「静」といった平和を願う想いが込められているようです。

 

昭和1年:〔男〕清 〔女〕久子

昭和2年:〔男〕昭二 〔女〕和子

昭和3年:〔男〕昭三 〔女〕和子

 

昭和に入ると、また元号の切り替わりの影響を受けて、男の子の名前は「昭」と年号の数字がつくものが多くなります。女の子の名前は久しい平和を願うものが人気ですね。

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昭和17年:〔男〕勝 〔女〕洋子

昭和18年:〔男〕勝 〔女〕和子

昭和19年:〔男〕勝 〔女〕和子

 

昭和17年頃は、太平洋戦争の最中です。戦争への勝利を反映して、男の子の名前は「勝」が並び、強い意思を感じます。一方、女の子の名前は、変わらず「和」を重んじるものが多いです。

このように昭和の前半の戦時中には、国の一大事を反映するような名前が多いことがわかります。

 

昭和61年:〔男〕大輔 〔女〕愛

昭和62年:〔男〕達也 〔女〕愛

昭和63年:〔男〕翔太 〔女〕愛

 

 

昭和60年代に入ると、バブルの時代です。戦時中とはうって変わって、子どもの名前は一変します。男の子の名前は「大輔」「達也」「翔太」と子ども自身が大きく成長してほしいという期待が見てとれるようになります。女の子の名前は「愛」が断トツの人気になります。

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平成時代と名前ランキング

次に、平成の名前をみていきましょう。

 

平成1年:〔男〕翔太 〔女〕愛

平成2年:〔男〕翔太 〔女〕愛/彩

平成3年:〔男〕翔太 〔女〕美咲

 

平成に元号が変わると、男の子は飛躍のイメージがある「翔」のつく名前が人気になります。新しい元号になって、わが子もこの時代を担う人材になってほしいという期待が感じられますね。女の子は「愛」が相変わらず人気ですが「○子」という「子」のつく名前が減ります。また、この頃から男女ともに有名人と同じ名前が増えてくるようです。

 

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ここ最近のランキングもみてみましょう。

 

平成28年

〔男〕1位:大翔 2位:蓮 3位:悠真

〔女〕1位:葵 2位:さくら 3位:陽菜

 

平成30年(昨年の名前ランキング)

〔男〕1位:蓮 2位:湊 3位:大翔

〔女〕1位:結月 2位:結愛 3位:結菜

 

男女ともに、バラエティ豊かで明るいですよね!時代や有名人を模したものもあり、華やかさすら感じるほどです。

 

このようにみてくると、時代が変わるにつれて、子どもの名前も自由に表現されるようになったように思います。近年は、「キラキラネーム」や「DQN(ドキュン)ネーム」などと言われる名前もあるようです。

 

名前の付け方には、色々な意見があるようですが、本質的には名づけ親が一生懸命に考えてつけた名前です。子どもの未来を想って、幸せに成長してほしいという想いが込められています。

 

その名前を、どんな風に考え、どんなことを意図して、どんなに愛情をもってつけたのか。子どもにぜひ伝えてあげてほしいと思います。家族は唯一無二です。愛情あふれる名前であれば、どんなものでも素敵だと思いますよ。

 

 

【参考資料】

「名前ランキング生まれ年別ベスト10」明治安田生命 http://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/year_men/girl.html